3月18日(日)に柏の葉公園総合競技場で開催された「DENSO CUP SOCCER 第15回大学日韓(韓日)定期戦」の前座イベントとして、大学サッカー連盟スタッフ、地元のペガサスジュニアFC、レプロ東京、茨城デフフットボールクラブの皆さんでデフサッカー・デフフットサル疑似体験を行いました。
始めに、参加者全員に下記質問をしてグループディスカッションをしていただきました。
「聞こえにくくなると、プレーにどのような変化があるのか」
「聞こえにくくなった時どうすれば上手く対応できるのか」
参加者から、それぞれの質問の回答をいただきました(一部抜粋)。
「聞こえにくくなると、プレーにどのような変化があるのか」
・声が聞こえなくなる
・連携が取れなくなる
「聞こえにくくなった時どうすれば上手く対応できるのか」
・首を振って、周りをよく観る
・ジェスチャーやアイコンタクトを使って、コミュニケーションを取る。
そして、参加者に耳栓をしていただき、「声出し禁止」「耳栓を外さない」というルールの下、疑似体験が始まりました。
疑似体験が始まり、耳が聞こえにくく、声も出せない参加者に体験メニューを説明するために、説明文が書かれたホワイトボードやデモンストレーションを駆使して、説明しました。
参加者の皆さんは、内容を理解するために、真剣な眼差しで説明文やデモンストレーションを観てくださいました。
鬼ごっこやスライドゲームなど、小学生にとっても身近な体験メニューをしていただきました。鬼ごっこでは、足音が聞こえないため、後ろから鬼に追いかけられているのに気づかない場面が数多く見られました。また、ジェスチャーでコミュニケーションが取れていない場面が多く、連携がスムーズにできなかった場面もありました。
体験メニューの最後にミニゲームを行いました。参加者の皆さんは、ミニゲーム前に紹介した手話を積極的に使いながら楽しんでいました。特に、ゴールする度に身体全身で喜びを表現したり、手話で「ナイスゴール」と伝えたりとコミュニケーションをとっていました。
ミニゲームで休憩中のチームは、口パク伝言ゲームとジェスチャーゲームで、聴覚障害者のコミュニケーション方法の一部を体験していただきました。
口パク伝言ゲームでは、伝言ゲームの要領で口パクをしました。
残念ながら、どのチームも正解とはなりませんでした…
口の形を読み取って話している内容を理解する難しさを実感していただけたのではないでしょうか。
ジェスチャーゲームも同様に、身体全身を使って何かを伝えることに悪戦苦闘している様子が見られました。
しかし、正しく伝わった時はチーム全員で喜びを爆発させていました。
これにて疑似体験の体験メニューを終えましたが、耳が聞こえにくく、声も出せないデフの疑似体験を終えた参加者の皆さんは何を思ったのでしょうか。
疑似体験の全メニューを終え、耳栓を外した瞬間、静寂だった世界が一瞬にして音が溢れる世界に戻った参加者の感動と驚きの顔は印象深いものでした。
ゲーム終了後、参加者に改めて下記質問をしました。
「疑似体験をしてみてどうでしたか」
「疑似体験前に話し合ったとおり聞こえにくくなった時の対応ができていたか」
参加者から、それぞれの質問の回答をいただきました(一部抜粋)。
「疑似体験をしてみてどうでしたか」
・フリーの選手がいても、声を出せないので、パスを出せなかった。
・パスが繋がらなかった。
・攻守の切り替えが遅かった。
「疑似体験前に話し合ったとおり聞こえにくくなった時の対応ができていたか」
・周りをよく観ることができた
参加者の発表を受けて、デフサッカーの人は聞こえない中でどんな工夫をしているのかをお話ししました。
・自分で視野を確保するために、自分で周囲をよく観る
・味方とパスや動きのタイミングを合わせるために、アイコンタクトやジェスチャーを積極的にする
最後に全体を通してのまとめを2点お話し、レプロ東京とデフサッカーアジア大会のPRをして疑似体験を終えました。
・障害を理解すること、一人の人として理解すること
障害のある人は約10人に1人と言われており、聞こえない人や見えない人、勉強ができない人などがいて、みんな一人一人違うこと。それを踏まえた上で色んな人と接して、その人ができることやできないことを知って友達を増やして欲しいこと。
・疑似体験を通して、サッカーや日常生活の中でのコミュニケーションに活かす
サッカーでは連携のイメージをすぐに伝えられること、日常生活ではジェスチャーのような非言語は世界でも通じるので見える世界が広がること。
今回の疑似体験を通して、小学生や大学生の方に聴覚障害について理解が深まるのと同時に、経験を周りに伝えていただけたら幸いです。
デフサッカー・デフフットサル疑似体験を実施する機会をいただいた全日本大学サッカー連盟の皆様、ありがとうございました!
今回だけにとどまらず、今後も継続し、障害理解や障がい者サッカーをより普及していきたいと思います。
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