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【私がレプロ東京でプレーする理由④】

最終回となった今回は伊賀崎代表兼監督です。

今回は「チームを立ち上げた動機」になります。

どういう想いを持ってチームを立ち上げたのか、放送では触れられなかった部分を皆様に知っていただけたらと思います。またレプロ東京に興味を持ち、入部を検討していただいている方々にとっても参考になるかと思います。

 

Q. チーム結成の動機

デフサッカーでは公式戦が関東大会、全国大会、全日本選手権と圧倒的に少なく、デフリンピックで上位を狙うには現状のままではいけないと痛感し、デフサッカー界から飛び出していく必要があるとデフサッカー日本代表仲間と議論を交わしました。チームを設立するなら、聴覚障害者だけではなく、聴者も融合してお互い切磋琢磨し合いながらレベルアップしていくことで考えが一致し、「もっと上へ、もっと外へ、色んな人とサッカーを」という合言葉を胸に、決意と覚悟をもって設立しました。そして、聴覚障害者と聴者が融合したサッカーに大きな可能性を感じたのもチーム結成の動機の一つです。

Q. 海外のデフサッカーチームはなぜ強いのか。日本代表との違いは?

海外のデフサッカーが強い要因は大きく二つあります。
一つ目は環境面。強豪国のほとんどは国を挙げてサポートしており、主に選手がサッカーに専念できる環境が整っていること。
二つ目はプレー面。大きな違いは聴者と同じく、ワールドカップを見てもわかるように、1vs1(体の大きさや強さ)とメンタル(相手の勝利に対する執念や気迫に押されて終盤に失点することが多い)において、世界と日本の差は大きいと感じました。

Q. チームの目標は?

まずは、都リーグ3部昇格を目標にしています。長期的ビジョンは都リーグ1部昇格です。その過程には様々なドラマがあり、聴覚障害者と聴者融合のサッカーを通じて対戦相手や観客の、障害者に対する見方を変えることが共生社会に繋がると信じています。共生社会へのリーダー的存在となり、ロールモデルとして世の中に発信していくチームにすることを目標にしています。

Q. なぜ聴者と一緒にチームを作り、聴者の対戦相手と試合をするリーグを選んだのか?

社会に差別と偏見がまだ残っている世の中で、聴覚障害者でも聴者と対等にできることはたくさんあるんだということを見せたかったのが一つです。
私たちの強みの一つであるサッカーを通して、世の中の障害者に対する見方を変えることができるのではないかと思い、都リーグに参戦しました。

そして、共生社会のロールモデルとなるためには何をすべきか考えたところ、聴覚障害者が抱えている一番の大きな壁がコミュニケーションです。
コミュニケーションは社会においてもさまざまなツールで使われるので、一番の大きな壁であるコミュニケーションをどのようにして解決できるのか、私たちで考えていく必要があります。
既存のコミュニケーションではなく、オリジナリティコミュニケーションを作り上げていき、それがスポーツだけではなく、社会にもいきるのではないかと思い、聴者と一緒のチームを作りました。

このように都リーグに参戦することで、聴覚障害者と聴者、お互いのもつ可能性がさらに広がると思いますし、そう信じています。

Q. みなさん口話でコミュニケーションされていますが、チームの選手はみな口話ができるのでしょうか?また、聴者と口話でコミュニケーションするのに抵抗はなかったのでしょうか?

レプロ東京に在籍している聴覚障害者のほとんどが口話でコミュニケーションしているのではありません。一部の選手は口話ができないため、手話でコミュニケーションしています。
口話をメインに話す人もいれば、手話をメインに話す人もいますので、コミュニケーション手段は多種多様です。
ですから、一人ひとりに合わせてコミュニケーションの手段を変えていけばいいと思っています。
設立後、聴者がレプロ東京に入団した後、聴者とのコミュニケーションに抵抗のある選手(人見知りなのか、コミュニケーションに自信がないのか)が何人かいましたが、
リーグ戦を重ねていくうちにプレーを通してお互いの特徴や性格を把握していくようになり、今では抵抗のある方は一人もいません。
このように好きなサッカーを通して障害の垣根をなくしていき、また障害をお互い理解し合っていくことこそ、その先にある共生社会に繋げられると信じています。

Q. 伊賀﨑さんが練習中に口話でコミュニケーションをしているのは、どうしてでしょうか?

レプロ東京に在籍している聴覚障害者は皆、読唇術ができます。また、聴者は耳を頼りにしていますので、双方にとって最適なコミュニケーションは何なのか考えた末、口話でコミュニケーションをしています。
同時に聴覚障害者には私の言っていることを100%伝えるためにも口話しながら手話も織り交ぜてコミュニケーションしています。

監督が説明するのは一回だけですので、例えば聴覚障害者が説明の内容を理解できなかった場合、隣にいる選手(聴者もしくは聴覚障害者)がアドバイスをする。
その時にアドバイスをする選手が理解できなかった選手にどのようにコミュニケーションをしていけば確実に伝わるかを考えさせて工夫してもらうようにしています。
(コミュニケーション手段:手話、ボディランゲージ、ホワイトボード(作戦盤)を使って筆談、口話など)
逆に、聴者が私の発音が聞き取りにくかった場合、隣にいる選手(聴者もしくは聴覚障害者)がアドバイスをする。
このように何度もコミュニケーションを重ねていくうちにお互いにとってどんなコミュニケーションが最適なのか、理解できるようになります。
障害があることを微塵も感じさせない、日常生活の中でごく当たり前のコミュニケーションの一つとして捉えてくれたらこの上ない喜びです。

Q. みなさんはそれぞれ仕事をお持ちですが、ここまで熱心にサッカーをしているのはどうしてでしょうか?

単純にサッカーが好きなんだと思います。
レプロ東京がもつ可能性、そしてその先にある夢をみんなと共有しながら歩んでいきたい、そういった魅力があるから自然と集まってきているのではないか、と思います。

Q. あなたにとってレプロ東京とはなんですか?

共生社会のリーダー的存在となる可能性を秘めたチームです。

Q. 視聴者にメッセージを。

障害者と健常者融合のフットボールの先にある世界がどんな世界なのか、想像できません。
もしかしたら社会を変えられるかもしれません。
それほど大きな使命が私たちにあります。
そんなレプロ東京がもつ新しい可能性を私たちと共に歩んで行きませんか?

 

以上になります。

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一般社団法人 日本身体運動科学研究所
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障がい者サッカー JFA グラスルーツ推進 賛同パートナー
社会課題への取り組み JFA グラスルーツ推進 賛同パートナー