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【江東区立大島中学校にて講演会+疑似体験会開催報告】

月2日、ご縁があり江東区大島中学校において「講演会およびデフサッカー・デフフットサル疑似体験会」を実施いたしました。

1校時から4校時までのお時間をいただき、1校時は中学1年生全体を対象にした「聞こえないことやオリパラ」をテーマにした講演、2校時から4校時に中学1年生を対象にクラス毎にデフサッカー・デフフットサルを疑似体験していただきました。

講演では代表理事の伊賀﨑が壇上に立ち、自身の生い立ちやデフサッカー・デフフットサルの経験を通して、聞こえない人のコミュニケーション手段やデフリンピック等についてお伝えしました。デフリンピックの説明に入る前にデフリンピックについて知ってるかどうか発問したところ、挙手された方は聴講者全体で約1100人中0人。想定していたものとは違った結果で少々驚きましたが(※2014年に日本財団のパラリンピック研究会が行った国内でのデフリンピックに関する認知度の調査結果は11.2%)、リアルな現実を目の当たりにし、我々の本活動の意義を再確認できた瞬間でもありました。

講演の終盤ではこれからデフサッカー・デフフットサル疑似体験を体験していただくにあたり、事前ワークショップということで、「聞こえなくなるとどういう風に困るのか」、「その困ることに対しどういう風に対応していくか」の2点を考えていただきました。

最後の質疑応答の時間においては、「耳が聞こえないのにどうやって言葉の発し方を覚えたのですか?」等の質問を多数いただき、聞こえないことに関する関心の高さが窺え、大変嬉しくなりました。

2校時から4校時までのデフサッカー・デフフットサル疑似体験会では、冒頭で簡単な挨拶をした後、すぐに耳栓をつけていただきました。ルールの説明の段階から耳が聞こえない状況を体験していただくことで、情報を目で得るという聴覚障がい者の日常生活の疑似体験もできたのではないかと思います。

疑似体験会は以下のプログラムで進行しました。

・ジェスチャーゲーム
それぞれくじをひくところから始まりました。耳栓をし、声を出さない状況で、同じ単語が書かれた人を探します。(例 警察官、野球、納豆)ジェスチャーでくじに書かれた単語を表現しようとするものの、なかなかうまくいかない場面も。3分という短い時間の中、不慣れな手段でコミュニケーションをとるのは難しかったと思いますが、みなさん真剣に、かつ、楽しそうにチャレンジされておりました。

・6人対3人のボール回し
くじで一緒になったメンバーでチームを作り、ボールを使ったアクティビティを行いました。
メートル四方のサークル内に9人が入り、内3人が鬼となります。
人で回しているボールをとることができた鬼は、交代することができます。音がない状態で取り組む中で段々と身振りやアイコンタクトでコミュニケーションをとっている場面が見受けられるようになってきました。 

・デフサッカー・デフフットサル(手話教室)
最後は試合形式。3チームに分け、2チームが試合、残りの1チームは手話教室で10個程の手話を学びました。審判はデフサッカーの試合の時と同じように笛の代わりに旗を使って進行しました。音という一つの情報がシャットアウトされている状況でのプレーは難しかったかと思いますが、代わりに首をよくふって周りをみる等それぞれで工夫している場面が見られ、事前ワークショップでの成果が出ていたように感じました。手話教室では、「ありがとう」「ヤバイ」等の手話単語をお伝えしました。手話という一つの言語に触れ、目を輝かせながら一つ一つの手話単語を表現している姿が印象的でした。

終わった後の振り返りでは、
「コミュニケーションは大切」
「音のない世界で毎日を過ごしているのはすごいなと思った」
「言葉がどれだけ重要か分かった」
「音っていいよね」
「声が出せなくて怖かった」
「ボールの位置がわからなくなり、音が大切だと思った」
等々の感想をいただきました。

校時~4校時のそれぞれの疑似体験会の最後に、進行担当からみなさまへ以下のことをお伝えして体験会の結びとさせていただきました。

・今後聴覚障がい者に出会った時に今回の体験会で得た学びを生かして欲しい
・大切なのは「伝える気持ち」であって手話が出来る出来ないとかは重要ではない
・相手の方を向いて相手の顔を見て話す聞く、表情を豊かにする、というのは聞こえる人同士のコミュニケーションでも通じる部分があると思うので、普段の生活においても是非活かして欲しい。

といった内容をお伝えしました。

中学生にとっては、日常生活で聴覚障がい者と出会う機会は少ないかもしれません。しかし、大島中学校の生徒は、熱心に私たちの話に耳を傾け、聴覚障がい者への理解を深めようとしてくれました。その姿勢は、体験会を受けているときの私たちへの眼差しだけではなく、アンケートでの感想や改善点からも伝わってきました。今回の体験会で、1人1人が感じたことを大切にし、今後の生活でぜひ役立ててほしいと思います。熱心に話に耳を傾ける中学生の姿を見て、レプロ東京としても、聴覚障がい者に対する理解を、これまで以上に発信しなければならないと感じた機会でした。そのための伝え方、発信の方法はより考えなければならない点であると思います。1人でも多くの人に届けるために、今後も努力していきたいと思います。

今回初めて大島中学校で疑似体験会を開催するということで、うまく開催出来るかどうか、楽しんで学んでいただけるかどうか不安があったのですが、準備の段階から先生方より色々とご助言をいただいたおかげで、有意義な疑似体験会となりました。また当日は生徒のみなさまの明るく前向きな姿勢のおかげで色々と救われました。

この場を借りて改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

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